アルゴリズミックデザイン

本年度後期より「アルゴリズミックデザイン」の授業を試験的に開始することになった。とはいえ、Rhino+Grasshopperの様々な事例を通して、なんちゃってアルゴリズミックデザインを体験するという程度のもの。

これまで4年生は卒業制作という大義名分でほとんどの時間を自由時間にしてきたが、熱心に質問してくる学生も少なく、ただ時間を過ごすだけでメリハリが無い。また、他学科との共同テーマを行う学生は、待ちの状態で時間が過ぎてしまい、手持ち無沙汰になってしまうという現象が生じていた。ということで、卒業制作にとらわれず、本授業での課題は必要であるという結論。

ただ、課題を与えるといっても、ARCHICADやLUMIONはほとんど使いこなせるレベルに達しているし、設計課題を要求するのはこの授業の特性が活かせない。色々悩んだ結果、より高いレベルを求める学生に強力なスキルを与え、ある意味やることが無い学生へのモチベーションも保てる新しいテーマが必要ということで行きついたのが本テーマである。

20数年前に海外のGDLの書籍を翻訳したことがきっかけで、GDLの魅力に憑りつかれた。それは形は違えども「アルゴリズミックデザイン」であった。まだまだ人真似でしかないが、授業の内容を考える時間、学生に教える時間は、楽しくて仕方ない。

LUMION

12月に入り4年生も卒業制作に集中する時期となってきた。
LUMIONは次年度の4年生に対して授業を考えていたのだが、生徒達のARCHICADレベルも向上してきているので、予定を変更して12月の授業でLUMIONをやることにした。

TWINMOTIONは操作性が良く、やりたいことが簡単にできるのだが、LUMIONのリアルスカイを使った空気感の美しさが個人的には好きだ。

とりあえず、ARCHICADで作成したファンズワース邸でムービーを作ってみた。綺麗だし、簡単だし、早い。生徒達がどんな成果物を作ってくるのか今から楽しみ。

 

木造住宅 倒壊解析ソフト wallstat

知人から試して欲しいとのリクエストがあったwallstat。

※動画はwallstatホームページ内のギャラリーから拝借しています。

京都大学生存圏研究所、国土交通省国土技術政策総合研究所、国立研究開発法人建築研究所、東京大学大学院での開発者の研究成果を元に製作されているそう。
STRDESIGNでもV17から連携が出来ていたことは、何となく知っていたが興味が無かったので調べもしなかった。

対象とする木造住宅の平面図、立面図から解析モデルを作成し、耐震要素に応じた耐力を選択し、 地震波を入力することで、シミュレーションを実行。 巨大な地震動が生じたときの木造住宅の倒壊安全性の確認や、実験が難しい建物の振動台実験シミュレーションなどが可能になるとも。

計算には「個別要素法(Distinct Element Method)」という計算理論を用いられており個別要素法は非連続体 解析法であるため、大変形・倒壊解析に適しているそうだ。

早速、STRのデータを連携を試みるが、色々なエラーが出てしまい初回挫折。
wallstatstudioというCAD的な入力が出来る画面で単体入力したらシミュレーションが出来た。

どうやらSTRのマニュアルやYOUTUBEの動画はやや古くやり方がよくわからなかったが、wallstatstudioのファイルメニューから「originファイルを開く」で
STRDESIGNから吐き出されたファイルを読み込むだけでモデルを読み込むことが出来た。梁の仕口の設定等があるとエラーが出るが、一般工法であれば比較的スムーズに出来た。

荷重や金物のパラメータ、樹種等も連携されているはずだが、図書類の出力機能が無いようなので、連携された仕様の確認が上手く出来ているのか出来ていないのかがよくわからない。

しかし、CEDMA連携が実装されているのは、研究者以上にCADベンダー側の食付きの強さを物語ってる・・・。