GDLで木造2階建て壁量計算(必要壁量)

壁量計算は概ね構造計算用のソフトかEXCELで対応されている方がほとんだと思いますが、ARCHICADでやるとしたらどんな方法があるでしょうか?

ARCHICADには一覧表機能があり、豊富なパラメータ値が拾えるようになっていますが、四則演算を組み込むことができません。令46条の計算を行うには四則演算や条件等を組み込むことは必須です。

ARCHICADで四則演算を唯一組み込める方法は・・・・GDLです。
数値は手入力なので、合理的な方法とは言えませんが、GDLで必要壁量算定表を作成してみたいと思います。
※GDLスクリプトの書き方については、How to ues ARCHICADの記事で作成した私の参照くたさい。

1.パラメータの設定
1階と2階の床面積、軽い屋根と重い屋根を切り替えるスイッチを設定します。
床面積は長さ(㎡)、屋根は整数で設定します。実際に入力するパラメータはこの3つだけで他は使用しません。

2.スクリプト
スクリプトは2Dスクリプトで作成します。
テキストサイズはシステム固定値のまま、罫線の位置等はパラメータを用いずにダイレクトに入力します(配置位置は下図のように設定)。
また、床面積は、㎜とメーター換算する必要があります。
例:パラメータに50と入力すると、スクリプト上は50/1000=0.05mと認識されるため×1000掛けることでメーター換算されます。AとBといった二つの数値の掛け合わせの場合は、それぞれで1000倍掛ける必要がありますが、1つの数値なので1000で問題ありません。

!床面積の宣言
!S_1F:1F床面積
!S_2F:2F床面積

!軽い屋根
!2F乗ずる数値0.15
!1F乗ずる数値0.29

!重いい屋根
!2F乗ずる数値0.21
!1F乗ずる数値0.33

!条件式
if yane=1 goto 10:
J_2F=0.15
J_1F=0.29
goto 20:

10:
yane=1
J_2F=0.21
J_1F=0.33

20:
text2 0,0,”必要壁量算定表(単位:m)”
text2 0,-1,”階”
text2 1,-1,”床面積”
text2 4.,-1,”乗ずる数値”
text2 8.,-1,”必要壁量”
text2 0,-2,”2″
text2 1,-2,S_2F*1000
text2 4,-2,J_2F
text2 8,-2,J_2F*S_2F*1000
text2 0,-3,”1″
text2 1,-3,S_1F*1000
text2 4,-3,J_1F
text2 8,-3,J_1F*S_1F*1000

line2 0,0,12,0
line2 0,0,0,-4
line2 0,-4,12,-4
line2 12,0,12,-4
line2 0,-1,12,-1
line2 0,-2,12,-2
line2 0,-3,12,-3
line2 1,-1,1,-4
line2 4,-1,4,-4
line2 8,-1,8,-4

いかがだったでしょうか?
このオブジェクトをワークシートに貼り付け、ビュー登録→壁量計算用のレイアウトブックに貼り付け→テンプレートに登録しておけば、使い勝手がぐっとあがると思います。次回は、存在壁量等にも触れていきたいと思います。