さて、今回は存在壁量の拾い方について説明します。存在壁量は、各階各方向の耐力壁の倍率×長さの合計です。ARCHICADには耐力壁の概念がありませんので
何かしらの情報を与える必要があります。
方法1
・壁の分類とプロパティに壁倍率新規作成し設定入力する
方法2
・オブジェクトで耐力壁を作成する
方法1は構造的な観点で壁を分割入力する必要が出てくるので、方法2の方が意匠入力中に余計な操作を考える必要がありません。なので、方法2で説明をしたいと思います。
1.耐力壁オブジェクト(2D)の作成
ファイル→ライブラリとオブジェクト→新規オブジェクトを選択します。
パラメータを追加設定します。壁長さはaのパラメータを使用します。
2Dスクリプトを作成します。耐力壁を線分で表現し、テキストで壁倍率と壁長さが目視できるようにします。文字のフォントやサイズ、アンカーポイントも設定します。
!壁長さ:a
!壁倍率:kabebai
line2 0,1,a,1
DEFINE STYLE “aaa” “Arial”,3,5,0
style “aaa”
text2 a/2,2,kabebai
text2 a/2,1.5,a
2Dビューで、パラメータの動きを検証します。
ファイル→名前を付けて保存→耐力壁.gsmとして保存します。
※今回は埋め込みライブラリとして保存します。
2.軸組入力用のレイヤーの作成
一覧表でX方向とY方向を拾い分けさせるために軸組用のレイヤー作成します。
3.一覧表の作成
要素タイプはオブジェクトに設定します。
フィールドは、一般(配置フロア、レイヤー、数量)を設定し、オブジェクト(長さ)を設定します。
オブジェクトで追加登録した壁倍率のパラメータを設定させるために、フィールドを追加の右側の▼をクリックし、「ライブラリ部品パラメータ」を選択します。
埋め込みライブラリ→耐力壁.gsmを選択し、壁倍率のパラメータを選択した状態で「追加」をクリックします。
右側の欄にパラメータがセットされました。
フィールドの順番の調整、スタイルを設定します。
4.入力と検証
柱を入力し、耐力壁を各階に入力します。
・壁長さ(a)を設定する
・壁倍率を設定する
・レイヤー:軸組X方向またはY方向に設定する
これで各階各方向の壁倍率毎の長さを拾うことが出来ました。
現状は集計までは出来ていません。倍率×長さ×数量の集計が必要になるので、最終的な集計はエクセルに吐き出して集計するか、GDLで別表を用意する必要があります。次回は集計表と必要壁量に対する充足率の判定表について説明したいと思います。